「チラシ印刷って、どの紙を選べばいいの?」 「コート紙?マット紙?上質紙?」「90kgや110kgって何が違うの?」
チラシやフライヤー印刷を初めて発注する方が最も迷いやすいのが、“用紙”と“厚さ”の選び方です。
同じデザインでも、紙が変わるだけで見た目の印象・手触り・高級感・配りやすさ・コストまで大きく変わります。実際、印刷現場では「思ったよりペラペラだった」「高級感を出したかったのに光りすぎた」「ポスティングで反りやすい」といったトラブルが非常に多く発生します。
この記事では、印刷前工程で15年以上チラシ印刷に携わってきた視点から、チラシ・フライヤー印刷に適した用紙の種類、厚さ(連量)の見方、用途別のおすすめ、現場で起こりやすい失敗例まで詳しく解説します。
チラシ印刷で最初に決めるべきは「紙質」と「厚さ」
チラシ印刷では、まず以下の2つを決めることが重要です。
▶紙質(どんな見た目・質感にするか)
▶厚さ(どれくらいしっかりさせるか)
この2つで、印刷物の印象はほぼ決まります。
たとえば同じA4チラシでも、
▶コート90kg → 軽く安価な定番チラシ
▶マット110kg → 落ち着いた高級感
▶上質70kg → 書き込みしやすい案内用
というように、用途が大きく変わります。
チラシ印刷でよく使う用紙の種類
1. コート紙
コート紙は、表面に塗工(コーティング)を施した、最も一般的なチラシ用紙です。
表面がなめらかで光沢があり、写真や色が鮮やかに出るのが特徴です。
向いている用途
▶スーパーの折込チラシ
▶イベントフライヤー
▶セール告知
▶飲食店メニュー
▶写真を多く使う販促物
メリット
▶発色が鮮やか
▶写真がきれい
▶コストが安い
▶最も定番で失敗しにくい
デメリット
▶光沢が強く安っぽく見える場合がある
▶筆記性が低い(書き込みに不向き)
「迷ったらコート紙」は、印刷現場でも定番の選び方です。
2. マットコート紙
マットコート紙は、コート紙の光沢を抑えた落ち着いた用紙です。
発色は十分ありながら、テカリを抑えられるため、高級感や上品さを出したいチラシに向いています。
向いている用途
▶高級感のある店舗チラシ
▶美容サロン
▶不動産チラシ
▶企業案内フライヤー
▶ブランド販促物
メリット
▶上品で落ち着いた印象
▶写真も十分きれい
▶高級感が出しやすい
デメリット
▶コート紙よりやや高い
▶ベタ面はやや擦れやすい
高級感重視なら、まず候補に入る用紙です。
3. 上質紙
上質紙は、コピー用紙に近い、非塗工(表面加工なし)の紙です。
光沢がなく、自然でナチュラルな風合いが特徴です。
向いている用途
▶アンケート用紙
▶申込書
▶書き込み用チラシ
▶医療案内
▶学校配布物
メリット
▶書き込みしやすい
▶ナチュラルな印象
▶文字が読みやすい
デメリット
▶写真はやや沈む
▶色が少しくすみやすい
情報伝達重視・記入用途なら上質紙が適しています。
紙の厚さ(連量kg)とは?
チラシ印刷でよく見る「90kg」「110kg」は、紙の厚さの目安です。
正確には“連量(れんりょう)”と呼ばれ、一定サイズの紙1,000枚分の重さを表します。
数字が大きいほど、紙は厚く・しっかりします。
よく使う厚さの目安
| 厚さ | 印象 | 主な用途 |
| 70kg | 薄い | 新聞折込・大量配布 |
| 90kg | 標準 | 一般的なチラシ |
| 110kg | やや厚い | フライヤー・店舗配布 |
| 135kg | 厚め | 高級フライヤー |
| 180kg以上 | かなり厚い | ポストカード寄り |
A4チラシなら、最も多いのは90kg〜110kgです。
用途別おすすめの用紙と厚さ
折込チラシ・大量配布
▶用紙:コート紙
▶厚さ:70kg〜90kg
コスト重視・大量配布向けの定番です。
店頭配布フライヤー
▶用紙:コート紙 / マットコート紙
▶厚さ:90kg〜110kg
手渡ししやすく、適度な存在感があります。
高級感重視の販促物
▶用紙:マットコート紙
▶厚さ:110kg〜135kg
高級感・信頼感を出したい業種向けです。
書き込み用途
▶用紙:上質紙
▶厚さ:70kg〜90kg
申込書・アンケート向けです。
現場でよくある失敗例
失敗例1:高級感を出したいのにコート紙を選んだ
美容系チラシでコート紙を使った結果、光沢が強く、安売り感のある印象になってしまった。
→ 解決策:高級感重視ならマットコート紙へ変更。
失敗例2:ポスティングで紙が薄すぎた
70kgで作成したところ、ポスト投入時に折れやすく、安っぽく見えてしまった。
→ 解決策:手配り・店置きなら90kg以上推奨。
失敗例3:書き込みができない
申込書なのにコート紙を選び、ボールペンが滑って書きにくかった。
→ 解決策:記入用途は上質紙を選ぶ。
失敗例4:黒ベタが擦れた
マット紙の濃い背景で擦れが発生。
→ 解決策:ベタ面はPP加工やインキ設計も検討。
用紙比較表
| 用紙 | 光沢 | 発色 | 高級感 | 筆記性 | 向いている用途 |
| コート紙 | ◎ | ◎ | ○ | △ | 折込・販促全般 |
| マットコート紙 | ○ | ○ | ◎ | △ | 高級販促・企業系 |
| 上質紙 | △ | ○ | ○ | ◎ | 申込書・案内用 |
まとめ
チラシ印刷で失敗しないためには、「何を伝えたいか」だけでなく、「どう使われるか」まで考えて紙を選ぶことが重要です。
▶安く大量配布したい → コート紙70〜90kg
▶定番で失敗しにくい → コート紙90kg
▶高級感を出したい → マット110kg
▶書き込み重視 → 上質70〜90kg
迷ったら、まずは「配布方法」「見た目」「書き込み有無」の3点から決めると失敗しにくいです!
チラシは、デザインだけでなく“紙選び”で印象が大きく変わります。だからこそ、用途に合った用紙選定が、反応の良いチラシづくりの第一歩です。